あれから9ヶ月 いわきの仁王 

福島県いわき市の仁王行脚です。
いわき周辺は徳一上人が開祖し、その後真言宗などの密教寺院に改宗した寺院が多いので、仁王門も割とあります。今回は仁王門がある主要な寺院を回ってみます。

まず曹洞宗の龍門寺。
「龍」「雲」「泉」などの漢字がつくと曹洞宗であることが多いです。
そしてその仁王門にいらしたのはこれまた典型的な「曹洞ファミリー」の仁王さん。
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落ち着いた雰囲気の、曹洞宗の見本のようなお寺でした。
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次は福島第一原発30km圏内にも程近い山間にある八茎寺の仁王さん。

ババーン!
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いかがでしょう?円空仏も霞んでしまうこのインパクト絶大な造形!
ポーズがどうとか、作った時期がどうとか、仏師が誰であるとか、「どーでもよくなる」仁王さんです。

じっくり見てみましょう。阿形さん。
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吽形さん。顔のアップ。眉毛などこだわりを感じます。鬼が入って髪結いが角みたいになっています。
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ボディーを見てみましょう。木目を生かした彫刻であることがわかります。いいですねー。
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朝からカツ丼をがっつり食べたような気分で次に向かいます。


次の目的地は波立(はったち)海岸にある波立(はりゅう)寺。いわきの三大薬師のひとつです。
原発から30kmすれすれ、しかも海岸で津波の被害も受けているであろうと思われたので、当初行けるかどうか、いや、「行ってもいいものかどうか」躊躇しましたが、「行ってみなきゃわからんだろう」といつもの精神で向かいました。
こちとら石巻だって南三陸だって女川だって気仙沼だって生で見てきてるわけですからね。今更引き返すなよってなもんです。

で、辿り着いた波立寺。仁王さんはその名の通り波を物ともせず立っておられました。
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会えてよかった…。
仁王門にはアクリル板が張られ、青空と流れる雲が綺麗に映っていました。
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次はグッと南に移動して鹿島町の光西寺へ。
こちらは「御代(みよ)の大仏」と呼ばれる銅の阿弥陀如来像が市の指定文化財となっているお寺。

仁王門は立派な2階建ての楼門ですが、地震で倒壊しかかっているため「立ち入り禁止」となっていました。
仕方が無いので、超能力で念写です(笑)
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けっこうあちこち欠けている欠け仏状態ですが、吽形などよく見ると造形は良いものです。
いつか修復される日を待っています。
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阿形さんはすっかりミツバチの巣になっていて、腰のあたりに空いた穴から大量のミツバチが出入りしていました。

で、文化財の「御代の大仏」を拝んでおこうと境内に上がると…
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ガーン!!なんじゃこりゃーあぁぁぁぁぁ!
どうやら震災で首が落ちてしまったようで、ちょっとしたニュースにもなったそうです。
これは痛々しい…。
楼門同様一刻も早い修復を望みます。


切ない気持ちになりながら次に向かったのはいわき湯本の成田山勝行院。
こちらには真新しい平成仁王さんがいらっしゃいました。
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ポーズは昭和の石像でよく見るタイプです。
阿形像。
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吽形像。
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脚。
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勝行院はこれだけじゃなくてなんと裏側にも仁王さんがいらっしゃいました。
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ちょっと、いやだいぶ赤鬼青鬼が入ってますが(笑)
しかも阿形が青っていうのも珍しいです。
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ラストは赤井嶽薬師 常福寺。山の上にある薬師霊場です。
こちらは仁王門ではなく不動堂の前が仁王さんの仕事場です。
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仁王さんは昭和・平成の作でしょうが、胴体の感じは鎌倉風の筋肉。
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日が差し込んできたので土門撮りしておきました。
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この日は震災からちょうど9ヶ月。本堂に上がって復興と犠牲者の方々のためにお祈りさせていただきました。



というわけで、いわきの仁王行脚が無事に終了です。
なかなか独自の仁王ブームが来てるなあといった感想です。

被災地ですのでまだまだ爪痕があちらこちらに残っています。
また折をみて来たいと思います。

仁王行脚は続きます。

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