信州仁王行脚その2 栄村・上越・そして富山の民話の仁王さん

信州仁王行脚2日目です。
と言ってもなにしろノープランで気ままな旅、この日は飯山市から栄村を行脚した後、北上して新潟県上越を経由しての富山県入りというルートとなりました。

さてどんなどんな仁王さんが待っているやら。


1.小菅仁王門
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長野県の北部飯山市小菅の仁王門にやってきました。
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かつて戸隠・飯綱と並ぶ北信三大霊場として栄えた小菅山元隆寺の西大門です。
ここを入口に背後には小菅神社、菩提院、観音堂など歴史建造物が多数残っておりかつての隆盛ぶりが伺えます。
仁王門は十七世紀後期の再建とされています。
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仁王さんは地理的に新潟に近いこともあって新潟・山形・秋田にだけみられる「前掛け+レッグウォーマー」スタイルです。
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味があって信仰も篤い、割りと好きなタイプの仁王さんです。
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2.常慶院

ノープランの旅ですが、実は1ヶ所だけ初めからから訪れようと決めていた場所がありました。

長野県栄村。

3・11東日本大震災。
その夜中(日付では12日)、長野県の北部、栄村でも震度6強の大きな地震がありました。その後も大きな余震が重なりパイプラインの幹線道路は不通となるなど甚大な被害が出ました。
三陸沿岸の津波被害や福島第一原発事故の報道に隠れてしまって、あまりその後の報道がされていない印象ですがこちらもまた大地震の被災地なのですね。

その栄村にもひと組の仁王さんがいます。常慶院の仁王さん。
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栄村箕作(みつくり)にある金華山常慶院は信越九ヵ寺の末寺を持つ信越の名刹です。
仁王門の他に立派な山門があります。
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楼上に仏像を安置する(非公開)山門は地震の際横にずれてしまったそうで、訪れた時には柱の補強と修復のための木材とビニールシートがかけられていました。
相当頭が重そうな楼門なので地震時はさぞ揺れたでしょうね。

仁王さんは妊婦さんのようなまん丸お腹の体型。ここまでお腹が丸いのも珍しいです。
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阿吽両方が手にしている金剛杵もシンプルながら変わったデザイン。
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彩色が綺麗なのは被災前に修復されていたようです。雪対策かアクリル板で覆われていますので状態はいいですね。
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行きに国道117号線の飯山から栄村へ抜けるあさがみトンネルで岡本太郎らしきレリーフを発見したので復路で撮影です。
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トンネルの入口と出口に間違いなく太郎さんのデザインの文字。
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スキーが大好きだった太郎さんはしょっちゅう野沢温泉を訪れ、野沢温泉の温泉街には彫刻も多数残っています。
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「湯」に「遊」。まさに今回の旅のテーマじゃないですか。


3.大廣寺
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富山に向かう途中、給油するために高速を降りたのですが、それだけだとつまらないので仁王サーチ。
すると新潟県上越市板倉区の大廣寺にカッコイイ仁王さんがいらっしゃるそうで急行です。

仁王さんは運慶系の京仏師の作と言われ、戦国時代末期か江戸時代初期に造られた高さ1.8mの檜の寄木造り。
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うーん確かに中央仏師の作風。上越市の市指定文化財となっています。
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新潟の最終兵器と呼ばせていただきましょう。



そしていよいよ富山県に到着です。
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4.法福寺
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富山県黒部市法福寺。
法福寺は大同元年(806年)に創建で北陸観音霊場三十三番札所。加賀藩前田家の祈願所として手厚い保護を受けており、現在も加賀藩の梅鉢を寺紋に用いているそうです。

江戸時代と思しき立派な仁王さん♪ザ・仁王といった感じです。
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こちらの仁王さんは富山の民話に登場します。それは次のようなお話です。

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 むかしむかし、田の又(たのまた)というところに板東長者(ばんどうちょうじゃ)と呼ばれるお金持ちが住んでいました。
 でもいつのころからか家運が傾き始めたので、家を立て直そうと思った長者は使用人たちを牛馬(ぎゅうば)のようにこき使いました。
 そのため使用人は一人減り、二人減りと、とうとう誰も寄りつかなくなってしまいました。
 そんなある日の事、筋骨たくましい大男がやってきて、長者に、
「働かせてください」
と、たのむので、ためしに使ってみると、朝早くから夜遅くまでとてもまじめに働きました。
「いつもよく働くな。さて、そろそろお前の給金を決めようと思うが、何か望みはないか?」
と、感心した長者が大男にいうと、
「取り入れが終わったら、イネを一かつぎいただくだけで結構です」
「おお、そんなことはおやすいごようさ。約束しよう」
 さて、その年の秋は、大男のおかげで大豊作です。
 大男は約束通りイネをもらうことになり、かりとったイネを全部ひとまとめにしばると、かるがると背負っていきます。
「おっ、おい、まってくれ!」
 長者が後を追いかけると、大男は法福寺の仁王門の前でパッと消えました。
 長者が仁王門にやってくると、なんと門前に泥まみれのワラジがかけてありました。
 そのワラジは、長者が大男にあたえたワラジです。
「も、もしや」
 長者がそばにある仁王像の足元を見てみると、その仁王像の足も泥だらけでした。
「そうか、そうだったのか・・・」
 長者は、欲ぶかい心をいましめるために仁王さまが姿を変えて現れたことに気づき、その日から心をいれかえたので、だんだん家運を盛り返したという事です。

おしまい
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というお話。
面白いですね。現在の草鞋と仁王さんの足。
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おや、仁王さんの足元には何かの欠片が落ちていますが、また誰かを懲らしめにいったのでしょうか。
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参道脇には大きな貯水池。祀られているのは弁財天でしょうか、社があります。
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富山県黒部市法福寺の手前の八幡社。狛犬がグッドデザイン賞。
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さて、ノープランなりにも濃密な仁王行脚ですが信州仁王行脚は一旦中断(帰りに再度寄ります)、ここからは富山仁王行脚です。
信越からの北陸の玄関富山県。
どんな仁王さんが待っているのでしょう。

富山仁王行脚に続きます。

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